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「逃げ水」が起きた行幸通りを歩く人たち=2024年7月29日午前10時24分、東京都千代田区、関田航撮影

 東京都品川区は7月から、75歳以上の高齢者がいる全世帯にスポーツドリンクなどを届ける「高齢者熱中症見守り宅配事業」を始める。熱中症予防と経済支援が目的で、所得制限は設けない。対象は約3万6600世帯で、区は今月27日に臨時会を開き、補正予算案として約2億8千万円を計上する。区幹部は「都内初の取り組み。全国でも例がないのではないか」と話す。

 区が委託した配達事業者が、7~9月の間に2回、対象の1世帯につき500ミリリットルのスポーツドリンク6本と飲料水6本(計24本、4千円相当)を届ける。

 配送時には、玄関前に荷物を置く「置き配」はせず、対象の高齢者や家族と対面して「エアコンをつけていますか」「体調は悪くないですか」といった声かけをするほか、熱中症予防に関する10項目ほどのアンケートをタブレット端末で実施する。

 アンケート結果から、継続支援が必要だと判断した高齢者については、民生委員や在宅介護支援センターなど関係機関につなぐという。

 区は2023年から、0歳児がいる家庭を助産師や保育士らが訪問し、育児用品を定期的に届ける「見守りおむつ定期便」を実施している。今回も同様に、高齢者へのアウトリーチ施策として、要支援者を確実に支援につなげる狙いがある。

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